日本、GXリーグ主導の強制排出量取引制度(ETS)本格始動へ―2026年度より国内排出量の60%をカバー

2025-11-08

経済産業省(METI)は7月29日、2026年4月より本格運用が開始される強制排出量取引制度(Compliance ETS)のグランドデザインおよび初期割当フレームワークを公表しました。本制度は、各産業セクターにおけるトップランナー企業の炭素効率を基準とする「ベンチマーク方式」を採用し、温室効果ガス(GHG)排出削減の加速を企図しています。 制度設計の要諦: 本制度の中核となる割当原則は、①セクター別ベンチマークの設定(排出原単位の効率性に基づく)、②グランドファザリング(過去の実績生産量に基づく割当)、および③困難セクターへの削減率適用、の三層構造となります。対象となる特定排出事業者(Primary Entities)は、鉄鋼、化学、電力、自動車製造など多排出産業を中心に約500~600社が見込まれ、日本のGHG総排出量の約6割を包含する規模となります。 市場メカニズムと価格安定化: コンプライアンス遵守における市場の予見可能性を担保するため、排出枠価格の高騰時における政府介入メカニズム(Price Ceiling)や、過剰供給時におけるマーケットメイカー(GX推進機構)による買い入れ・償却オペレーション(Price Floor)が検討されています。本市場は、適格機関投資家や専門トレーダーにも開放され、炭素市場の流動性と価格発見機能の向上が期待されます。